例えば古いアルバムの中に眠るセピア色の写真。
あるいは、何十年も前の新聞紙に包まれた“こわれもの注意”の想い出の品々。
人は大切なものをしまうとき、無意識のうちにまるで真綿に包み込むようにそっと何かにくるんだり、はさんだりします。
それを様式美にまで高めたひとつの完成形が懐紙です。
お茶の世界ではお菓子を載せたり、飲み口を拭いたり、食べきれないお菓子を包んで持ち帰ったりします。
また、昔は懐に忍ばせて歌を詠んだり、メッセージを書き付けて人に託したりました。
たった1枚の小さな白い紙が、人の中に宿る精神の浄化と心の伝承という役割を果たしてきたのです。
このようにわが国では古くから、紙などの包装資材に対して単にモノを包むという物理的な機能だけでなく、「こころを包む」とも言うべき精神的な機能を求めてきたのではないでしょうか。
またそれは現代社会においても不変のものだと考えます。
「つくり手」である生産者が丹精込めて創造し、市場へ送り出そうとする製品。
その中に込められた想いや願いを余すところなく、そしてその価値を微塵も損なうことなく、「つかい手」である消費者に送り届けること。
そして、それが選ばれ、使われ、生活の中に溶け込んで得られた「つかい手」の満足感や感動を「つくり手」に伝え返すこと。
紙や包装資材の果たす役割は、「つくり手」の想いと「つかい手」の満足をひとつひとつ丁寧につなぎ合わせていくことです。
それは、目に見えないほど細い繊維を撚り合わせて一本の糸に仕上げていくような「つむぎ」であると私たちは考えています。
当社は、包装資材や販促資材の開発・提案・製造・提供を通して、クライアントである製造業を中心とした「つくり手」と「つかい手」である消費者の媒介者として存在しています。
いかにコミュニケーションがデジタル化しようと、いかにカルチャーのボーダレス化が進もうと「つくり手」の創意と熱意を「つかい手」に送り届け、選んでもらい、使ってもらい、そして満足してもらうという私たちの使命は変わりません。
その使命を全うするために私たちは時には「つかい手」である消費者の代弁者として、「つくり手」であるクライアントには耳の痛い話も躊躇せずにさせていただきます。
今売れることももちろん大切ですが、クライアントが百年先まで、いやそのもっと先まで消費者に支持されることの方がもっと大切だと考えているからです。
これからの廣川株式会社にどうぞご期待下さい。
代表取締役社長 廣川 信也